「Xiaomiって結局どこの国のブランドなの?」と気になっていても、なかなか答えが見つからなかった人も多いだろう。家電量販店やAmazonで見かける安さの秘密が気になりつつ、「中国製って大丈夫なのか」という不安がどこかにある。この記事では、Xiaomiが中国・北京発祥の世界スマートフォンシェア3位のグローバルブランドであること、バックドア疑惑の実態、日本での安全な使い方・購入方法まで、知りたいことをすべて解説する。読み終わる頃には「なんとなく怖い」が「知った上で判断できる」に変わっているはずだ。
Xiaomiはどこの国のメーカーか — 中国・北京生まれの世界的テクノロジー企業
「このスマホ、めちゃくちゃ安いけど…どこの国のブランドなんだろう」と思ったことはないだろうか。Xiaomiを初めて見たとき、多くの人が感じる疑問だ。
Xiaomi(シャオミ)は、中国の北京を本拠地とするテクノロジー企業だ。正式名称は「小米科技有限責任公司」(英語表記:Xiaomi Corporation)で、2010年4月に創業された。
設立からわずか10年ほどで、世界を代表するスマートフォンメーカーに成長した企業だ。「中国のApple」とも呼ばれることがある。
創業者レイ・ジュンと北京本社の概要
Xiaomiを創業したのは、レイ・ジュン(雷軍)という人物だ。ソフトウェア企業「Kingsoft」の元CEOであり、連続起業家としての実績を持つ。
レイ・ジュンは2010年、スマートフォン市場に参入する際に「高品質なスマートフォンをより多くの人に届けたい」というビジョンを掲げた。そのビジョンは、現在の製品群にも脈々と受け継がれている。
北京にある本社は、中国国内外で数万人の従業員を抱える巨大オフィスだ。研究開発部門には多くのエンジニアが在籍しており、毎年数百件規模の特許を取得している。日本で「中国メーカー=粗悪品」というイメージが根強い一方で、Xiaomiは研究開発への投資額が同規模の企業の中でも際立って高い。
設立当初はスマートフォン1機種からスタートした。しかし今では、タブレット・スマートウォッチ・テレビ・エアコン・ロボット掃除機まで幅広い製品を展開する総合家電ブランドに進化している。
世界市場でのシェアと存在感
Xiaomiのシェアは、数字で見ると驚くほど大きい。2023年時点で、世界スマートフォン市場においてXiaomiはSamsung・Appleに次ぐ第3位のポジションを維持している。
世界100以上の国と地域で製品を販売しており、特にインド・東南アジア・ヨーロッパでのシェア拡大が顕著だ。インドでは市場シェアトップを争うほどの存在感を誇っている。
ヨーロッパ市場では、スペイン・イタリア・フランスでのシェアが特に高い。日本人の感覚では「中国製スマホ=途上国向け」というイメージがあるかもしれないが、欧州の先進国でXiaomiは主流の選択肢のひとつとして認知されている。
スマートウォッチ・フィットネスバンド分野でも、世界出荷台数ランキングの上位に常にランクインしている。Xiaomi Smart Band(旧Mi Band)シリーズは、世界で最も売れているウェアラブルデバイスのひとつだ。
2021年にニューヨーク証券取引所での上場廃止問題があったが(米国による中国軍関連企業リストへの追加)、その後の訴訟で勝訴しリストから除外された経緯もある。こうした歴史的背景も、「Xiaomiは危ないのでは」という疑念が生まれる一因となっている。
日本人が知らないXiaomiの企業規模
「中国のスタートアップ企業でしょ?」と思うかもしれないが、Xiaomiはそのレベルをはるかに超えた企業だ。年間売上高は約3,000億元(日本円で6兆円規模)に達しており、東証プライム上場企業と比較しても上位に入る規模感だ。
香港証券取引所への上場も果たしており、グローバル投資家からの資金調達・ガバナンス体制も整っている。「怪しい無名の中国企業」ではなく、透明性の高い公開企業という点は把握しておきたい事実だ。
また、Xiaomiは「Mi Ecosystem(小米生態鎖)」と呼ばれる製品エコシステムを構築しており、傘下企業を通じてさまざまなスマートホーム製品を展開している。掃除ロボット「Roborock(ロボロック)」もXiaomiの投資先企業の製品だ。日本でも馴染みのあるブランドが、実はXiaomiグループと深く関係している例は少なくない。
Xiaomi製品のセキュリティ問題は本当か — バックドア疑惑を検証する
「安くていい製品だとは思うけど、個人情報が中国に送られていたら怖い」という不安、正直なところよくわかる。これはXiaomiに限らず、中国製スマートフォン全体に向けられる疑念だ。
ここでは、バックドア疑惑の実態を事実ベースで整理する。「危険だ」とも「完全に安全だ」とも言い切れない部分があるが、現状をきちんと把握することで、自分なりの判断基準を持てるようになる。
バックドア疑惑はどこから生まれたのか
「Xiaomiのスマホにはバックドアがある」という噂は、いくつかの報告がきっかけで広まった。
2014年、フィンランドのセキュリティ企業F-Secureが、XiaomiのRedmi Note端末がユーザーの同意なしに個人情報を中国のサーバーに送信していると報告した。送信されていたのは電話番号・連絡先・テキストメッセージなどとされていた。Xiaomi側はこれを認め、ソフトウェアを修正した上で「ユーザーに対してより明確な同意取得プロセスを設ける」と声明を出した。
また、2020年にはリトアニア国立サイバーセキュリティセンターとEU加盟国の一部が、Xiaomiのブラウザに組み込まれた検閲機能の残骸を発見したと報告した。「Tibet(チベット)」「Taiwan independence(台湾独立)」などのキーワードに反応するコードが存在していたとされる。
これらの事実は「Xiaomiは危険」という結論を直ちに意味するわけではないが、「まったく問題がない」とも言い切れない根拠になっている。
実際に確認されているリスクと根拠
現在のXiaomiスマートフォンに関して、セキュリティ研究者たちが指摘するリスクは主に3点だ。
1点目は、プリインストールアプリによるデータ収集だ。Xiaomiのスマホには自社製アプリが多数プリインストールされており、これらがユーザーの行動データを収集している。ただし、これはGoogleやSamsungのスマホも同様だ。問題はそのデータがどこに送られ、どう使われるかという点だ。
2点目は、Androidのカスタムロム「MIUI(後にHyperOSに改称)」の透明性の問題だ。MIUIはXiaomi独自のカスタマイズが多く施されており、素のAndroidと比べると内部の動作を完全に把握しにくい構造になっている。オープンソース部分とクローズド部分が混在している。
3点目は、Xiaomiサービスへの依存だ。Xiaomi端末を使う際、Xiaomiのクラウドサービスにサインインするよう促される場面が多い。このアカウントデータは中国のデータセンターに保存される可能性がある。
一方で、Xiaomiはドイツなど欧州の一部ではEU法に準拠したプライバシー対応を行っており、地域ごとに異なる対応を取っていることも知っておく必要がある。日本向けモデルも、国内発売品は一定の基準を満たした状態で提供されている。
各国政府の対応と現在の評価
中国製スマートフォンに対する各国政府の対応は、国によって大きく異なる。
最も厳しい立場を取るのが米国だ。連邦政府職員の端末へのXiaomiアプリの使用禁止に加え、一部州では公共機関での使用制限が設けられている。ただし、これは一般消費者向けの規制ではなく、機密情報を扱う政府関係者に対する措置だ。
インドでは2020年にXiaomiを含む中国製アプリを大量に禁止したが、スマートフォン本体の販売は継続されている。これは安全保障上の懸念ではなく、政治的・外交的な背景による判断が大きい。
日本では、現時点でXiaomiスマートフォンの販売・使用に法的な制限はない。ソフトバンクなど国内キャリアを通じた販売も行われており、MVNO(格安SIM事業者)経由でも幅広く利用されている。政府機関では中国製スマホの使用について内部方針が設けられているケースもあるが、一般ユーザーが日常生活で使用することを禁止するような法律は存在しない。
中国製スマホを安全に使うための実践的な方法
「リスクがあるとわかった上で、どうすれば安全に使えるの?」というのが、多くの人の本音ではないだろうか。完全にリスクをゼロにすることは難しいが、適切な設定と意識によってリスクを大幅に減らすことは可能だ。
これはXiaomiに限らず、スマートフォン全般に共通する考え方でもある。
プリインストールアプリの整理とリスク軽減
Xiaomiスマートフォンを入手したら、最初にプリインストールアプリを確認することを勧める。不要なXiaomi製アプリは無効化(アンインストールできないものは「無効」に設定)することで、バックグラウンドでのデータ収集を減らせる。
具体的に確認・無効化を検討すべきアプリとして、以下のものがある。「Mi Video」「GetApps(アプリストア)」「Mi Browser(Mintブラウザ)」「Xiaomi Cloud」などだ。
Xiaomi Cloudへのサインインは任意だ。使用しなくても基本的なスマートフォンの機能は問題なく動作する。Googleアカウントと連携して写真・連絡先をGoogle側で管理する方法を取れば、Xiaomiのクラウドへのデータ依存を避けられる。
ブラウザについては、Xiaomiプリインストールのブラウザを使わず、Google ChromeやFirefoxなど第三者ブラウザを使用することを勧める。前述の検閲コード問題が指摘されたのもMintブラウザだったためだ。
アプリのパーミッション(権限)設定も見直したい。「設定 → プライバシー → パーミッション管理」から、各アプリに与えている位置情報・連絡先・マイクなどのアクセス権限を確認し、必要ないものは取り消す。これは他のAndroidスマホでも有効なプライバシー保護の基本だ。
HyperOS(MIUI)のプライバシー設定を活用する
Xiaomiのスマートフォンに搭載されているHyperOS(以前はMIUI)には、プライバシー設定のオプションが充実している。これらを正しく使うことで、不要なデータ送信を制限できる。
「ユーザーエクスペリエンス向上プログラム」への参加はデフォルトでオンになっていることが多い。これはXiaomiが端末の使用データを収集するプログラムだ。「設定 → パスワードとセキュリティ → プライバシー」からオフに変更できる。
「診断データの送信」についても同様に確認し、不要であればオフにする。また、広告IDのリセットや、広告のパーソナライズをオフにする設定も「設定 → Googleサービス → 広告」から変更できる。
VPNの使用も有効な対策のひとつだ。通信内容を暗号化することで、スマホ外部へのデータ送信の内容を保護できる。ただし、VPN自体の信頼性も重要なので、実績のある有料VPNサービスを選ぶことを勧める。
日本のXiaomiユーザーが実際に行っている工夫
日本の技術系コミュニティやXiaomiユーザーの間では、いくつかの共通した使い方のパターンが見られる。
最も多いのが「仕事用にはiPhoneやPixelを使い、サブ端末としてXiaomiを使う」という二台持ちのスタイルだ。バンキング・証券アプリ・仕事のメールなど機密性の高いデータをXiaomiに入れないようにするという考え方だ。
「プリインストールのXiaomiサービスを使わずにGoogleサービスだけで運用する」というスタイルも広まっている。Google Photo・Googleカレンダー・Gmail・Google Mapで完結させれば、Xiaomiのクラウドにデータを渡さずに済む。
スマートバンドやタブレットとして使う場合は、こうした細かなリスクを気にする場面がそもそも少ない。フィットネストラッキングや動画視聴を主な用途とするなら、セキュリティリスクは大幅に低下する。
用途をはっきり決めた上で使えば、Xiaomiはコストパフォーマンスの高い選択肢として十分に機能する。
Xiaomiの製品ラインナップ — スマホだけじゃない多彩な展開
「Xiaomiって、スマホのブランドでしょ?」と思っている人も多いが、実際はそれをはるかに超えた総合家電ブランドだ。その製品ラインナップは、生活のあらゆる場面をカバーしている。
日本でも入手できる製品カテゴリを中心に、Xiaomiのラインナップを把握しておこう。
スマートフォン(Xiaomiシリーズ・Redmiシリーズ)
Xiaomiのスマートフォンは大きく2系統に分かれる。「Xiaomi」ブランドのフラッグシップ系と、「Redmi」ブランドのコスパ系だ。
Xiaomiブランドの上位モデルには「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」などがある。Leica(ライカ)と共同開発したカメラシステムを搭載しており、写真・動画の品質は同価格帯の他社製品と比べても遜色ない。2024年に日本でも正式発売され、SIMフリーでの販売とソフトバンクによるキャリア販売の両方が行われている。
Redmiシリーズは価格帯が1〜3万円台と手頃で、日常使いに必要な機能を十分に備えている。「Redmi Note 13 Pro+」などは、大画面・大容量バッテリー・高画素カメラを低価格で実現しており、コスパ重視のユーザーに好評だ。
POCO(ポコ)ブランドも存在しており、こちらはゲーミング寄りの高性能モデルが多い。Redmiよりもやや価格が高く、処理速度と冷却性能を重視したモデルが中心だ。
スマートウォッチ・フィットネスバンド
Xiaomiのウェアラブル製品は、日本でも非常に人気が高いカテゴリだ。特に「Xiaomi Smart Band」シリーズ(旧Mi Band)は、5,000円前後という価格帯で心拍数計測・睡眠トラッキング・活動量計測などの基本機能をすべて備えており、「初めてスマートバンドを試したい」という層に最適な選択肢となっている。
上位モデルの「Xiaomi Smart Band 9 Pro」では、血中酸素濃度(SpO2)計測・GPS・音楽再生コントロール・さまざまな文字盤のカスタマイズなどが可能になっている。バッテリー持続時間も20日前後と長く、日常使いに向いている。
スマートウォッチとしては「Xiaomi Watch 2 Pro」などがあり、Wear OS(Google製スマートウォッチOS)を搭載しているため、Google MapsやGoogle アシスタントとの連携もできる。AppleWatchやGalaxy Watchの半額以下の価格で同等の機能を持っているとして、コスパ重視の評価を受けている。
「Redmi Watch」シリーズはさらに低価格のエントリーモデルで、スマートウォッチを初めて試す人に向いている。
タブレット・IoT家電・その他ガジェット
タブレット分野では「Xiaomi Pad」シリーズが展開されている。「Xiaomi Pad 7」「Xiaomi Pad 6」などは、Qualcommの高性能チップセットを搭載しており、動画視聴・電子書籍・軽作業などをこなせる実力を持つ。iPadの半額程度の価格で購入できるため、学習用・エンターテインメント用途で人気がある。
家電分野では、ロボット掃除機・空気清浄機・電動シェーバー・電気歯ブラシなどを展開している。スマートホームアプリ「Mi Home(Xiaomi Home)」を通じて各機器を一元管理できるため、IoTに興味がある人にとっては魅力的なエコシステムだ。
モバイルバッテリー分野も非常に充実しており、「Xiaomi Power Bank」シリーズは業界最高水準のコスパとして定評がある。日本の家電量販店でも入手しやすい製品のひとつだ。
日本でのXiaomi — どこで買えるか、サポートは大丈夫か
「日本でちゃんと買えるの?」「何かあったときのサポートはどうなってるの?」という疑問も、購入前に解消しておきたいポイントだ。
Xiaomiが日本市場に正式参入したのは2019年のことだ。それ以前は、並行輸入品しか入手できなかった。現在は正規の販売チャネルが整備されており、保証体制も含めて利用しやすい環境が整っている。
日本公式展開の歴史と現状
Xiaomiの日本法人「シャオミ・ジャパン株式会社」が2019年に設立された。最初の正規品は、当時世界で最も売れていたフィットネスバンド「Mi Smart Band 4」と、モバイルバッテリー数機種だった。
スマートフォンの日本向け正規販売は2021年から本格化した。「Redmi Note 10 JE」がau向けに発売されたのを皮切りに、その後もSoftBankやIIJmioなどを通じた端末が増えていった。
2024年には「Xiaomi 14T」シリーズがフラッグシップモデルとして日本発売され、家電量販店・オンラインでの取り扱いも拡大している。Xiaomiの日本公式サイトでも直接購入が可能だ。
製品展開は毎年更新されており、今後もハイエンドからミドルレンジまでの幅広い製品が日本向けに投入される予定だ。
日本で購入できる場所
Xiaomiの製品は現在、以下のような場所で購入できる。
家電量販店では、ビックカメラ・ヨドバシカメラ・コジマなどで取り扱いがある。スマートバンドやモバイルバッテリーは特に多くの店舗で見つけやすい。スマートフォンは取り扱い店舗が少し絞られるが、ソフトバンクショップや一部のITフロアで確認できる。
ネット通販では、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング・Xiaomi公式サイト(mi.com/jp)での購入が可能だ。公式サイトでの購入は最新ラインナップを確実に確認でき、セール時には割引も実施される。
SIMフリー版を格安SIM(MVNO)と組み合わせて使う方法も普及している。IIJmio・楽天モバイル・mineo・OCNモバイルONEなどのMVNO事業者が、Xiaomi端末とのセット販売を実施しているケースも多い。
並行輸入品は日本向けの周波数帯(バンド)に対応していないケースがあり、一部のキャリアで電波が十分につながらない問題が起きることがある。購入時は「技適マーク(技術基準適合証明)」が付いている日本向け正規品かどうかを確認することが重要だ。
日本語サポートと保証・修理体制
日本のXiaomi公式サポートは、主にウェブサイトと電話で対応している。日本語のサポートページが整備されており、FAQや設定ガイドも確認できる。
保証期間は一般的に1年間で、購入証明書があれば公式サポートを通じた修理・交換対応が受けられる。ただし、修理拠点は日本国内に限りがあるため、修理に出してから戻ってくるまでに時間がかかる場合がある。
この点はiPhoneやSamsungと比べると見劣りする部分だ。Apple StoreやSamsungの正規サービスは日本国内に多数拠点があり、即日対応が可能な場合も多い。Xiaomiは修理対応のスピード・拠点数において、まだ発展途上という印象は否めない。
端末保険(スマホ補償)に加入することで、修理・紛失時のリスクを軽減できる。楽天モバイルやIIJmioでは、Xiaomi端末向けのオプション保険プランを用意しているケースもあるため、購入時に確認することを勧める。
Xiaomiの企業戦略 — なぜ安くて高品質な製品を作り続けられるのか
「こんなに安いのに性能がいい。なんでこんなことができるんだろう?」という疑問も、多くの人が持つ。Xiaomiの価格競争力の背景には、独自の企業戦略がある。
ここを理解すると、「安いのには理由がある(=粗悪品)」ではなく「安いのには別の理由がある(=ビジネスモデルの違い)」という見方ができるようになる。
「鉄の三角」と呼ばれる低価格戦略の仕組み
Xiaomiの創業者レイ・ジュンは、自社の戦略を「鉄の三角」と表現したことがある。「高品質な製品」「低価格」「良いユーザー体験」の3つを同時に実現するという考え方だ。
通常、製品の価格は「製造コスト+流通コスト+利益マージン」で決まる。Xiaomiが低価格を実現できるのは、主に流通コストと利益マージンを極端に抑えているからだ。
流通面では、創業当初からオンライン直販を主力チャネルとした。量販店に置かず、ウェブ経由で予約販売するフラッシュセールモデルを採用した。これにより、中間業者のマージンをほぼゼロにすることができた。
利益マージンについては、ハードウェア(本体)ではほぼ利益を取らない方針を長年維持してきた。「ハードウェアは広告塔、本当の収益はサービスで得る」という考え方だ。中国国内では、MIUI上の広告・アプリストアの課金・コンテンツ配信などから収益を上げている。
日本・欧州向けはこのサービス課金モデルが制限されるため、ハードウェアにある程度の利益を乗せるが、それでも競合より低価格を維持することが多い。
ハードウェアだけでなくエコシステムで稼ぐビジネスモデル
Xiaomiの真の強みは、スマートフォン単体ではなく「エコシステム」だ。Mi Ecosystem(小米生態鎖)と呼ばれるこの戦略は、スマートフォンを核として家電・ウェアラブル・IoT機器を連携させることで、ユーザーをXiaomiのエコシステムに囲い込む発想だ。
掃除機・テレビ・エアコン・電球・カメラ・体重計まで、すべて「Xiaomi Home」アプリで管理できる。ユーザーがXiaomiのスマートフォンを持つと、自然とXiaomiの他の製品も欲しくなる仕組みになっている。
この点はAmazon EchoやGoogle Homeのエコシステムと似た発想だ。ただしXiaomiの場合、そのエコシステムに参加できる製品の数と種類がケタ違いに多い。
傘下企業・投資先企業が数百社規模に上り、各社が独自に製品を開発しながらXiaomiのMi HomeやXiaomiの販売チャネルを活用している。Xiaomiはプラットフォームを提供し、傘下企業は製品を作る。この分業体制が、幅広いジャンルへの迅速な展開を可能にしている。
競合他社との比較 — SamsungやAppleと何が違うか
Xiaomiと競合他社の違いを整理すると、選択肢としての特徴がより鮮明になる。
Appleとの比較では、価格帯が最も大きな違いだ。iPhoneの最新フラッグシップは15万〜20万円台が当たり前になっている一方、XiaomiのフラッグシップはiPhone同等の性能を持ちながら7〜10万円台で購入できる。ただし、iPhoneのエコシステム(iCloud・AirDrop・Face Time・Apple Watch連携)は独自の強みがあり、これを重視するユーザーはiPhoneを選ぶべきだ。
Samsungとの比較では、価格対性能比でXiaomiが優れるケースが多い。ミドルレンジでは「Xiaomi Redmi Note」シリーズと「Galaxy A」シリーズが競合するが、同価格帯だとXiaomiの方がスペックが高いことが多い。ただしSamsungは日本での修理体制・サポートが充実しており、長期使用時の安心感はSamsungに分がある。
GoogleのPixelシリーズとの比較では、ソフトウェアのシンプルさと長期サポート(セキュリティアップデートの年数)でPixelが優れる。Pixelは素のAndroidに近く、プライバシーを重視するユーザーには選びやすい選択肢だ。コスパでXiaomi、セキュリティ・ソフトウェアでPixelという判断軸が一般的だ。
Xiaomiのおすすめ製品 — 初めて購入するならこれを選ぼう
Xiaomiの製品を初めて試してみたいという場合、何から始めるのが最適か迷うことも多い。ここでは、日本で入手しやすく、初心者でも使いやすいモデルを用途別に紹介する。
スマートフォン部門のおすすめ
スマートフォンを選ぶ際は、主に「用途」と「予算」で絞り込むのが基本だ。
写真・動画撮影を重視するなら「Xiaomi 14T」または「Xiaomi 14T Pro」が最適だ。Leicaとの共同開発によるカメラシステムは、同価格帯の競合製品と比較しても高い評価を受けている。10万円前後の予算があるなら、日常使いからクリエイティブな撮影まで幅広く対応できる。
コストを抑えてスマートフォンを新調したいなら「Redmi Note 13」シリーズが候補だ。3〜4万円台の価格帯で、大画面・長時間バッテリー・十分なカメラ性能を持つ。日常のSNS・動画視聴・ゲームを快適にこなせる。
初めてのサブスマホとして試してみたいなら「Redmi 12C」「POCO M5」などのエントリーモデルが選びやすい。1〜2万円台で手に入るため、「とにかく一度試してみたい」という場合に最適だ。
スマートウォッチ・スマートバンド部門のおすすめ
フィットネス目的で初めてウェアラブルを試したいなら「Xiaomi Smart Band 9」から始めるのがベストだ。5,000〜7,000円という手頃な価格で、心拍数・睡眠・活動量・ストレスレベルの計測機能が揃っている。バッテリーは最大20日持続するため、充電の手間が少ない。
スマートウォッチとして機能を求めるなら「Xiaomi Watch 2 Pro」が選択肢に入る。Wear OSを搭載しており、Google MapsやLINE通知の確認、音楽コントロールなどが腕元でできる。AppleWatchの3分の1以下の価格で同様の機能を実現している。
血中酸素飽和度・血圧トレンド計測など健康管理を重視するなら「Xiaomi Smart Band 9 Pro」がいい。センサーの精度も上位モデルとして評価されており、健康意識の高い層に適している。
タブレット・その他ガジェット部門のおすすめ
動画視聴・電子書籍・軽作業を目的としてタブレットを検討しているなら「Xiaomi Pad 7」が有力候補だ。11インチの高精細ディスプレイ・Snapdragon高性能チップ・十分なバッテリー容量を備えながら、iPadと比べて半額程度の価格で入手できる。
Xiaomi製のモバイルバッテリーはコスパの高さで定評があり、特に「Xiaomi Power Bank 10000mAh」シリーズは持ち運びやすいサイズ感と急速充電対応が評価されている。2,000〜3,000円台で手に入るため、「まずXiaomiの製品を試してみたい」という場合の入門アイテムとして最適だ。
ロボット掃除機を検討しているなら、Xiaomiが出資するRoborockやDreameブランドの製品が日本市場でも高い評価を受けている。Xiaomi本体ブランドの掃除ロボットも存在するが、日本での取り扱いは他のXiaomi製品に比べて少ない。購入前に取扱店舗・正規品かどうかを確認することを勧める。
よくある質問
- Xiaomiはどこの国のメーカーですか?
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Xiaomiは中国・北京を本拠地とするテクノロジー企業です。2010年に創業され、現在は世界スマートフォン市場でSamsung・Appleに次ぐ第3位のシェアを誇るグローバルブランドです。日本では「シャオミ」と呼ばれ、2019年に日本法人が設立されて以降、正規品が国内で購入できるようになっています。
- Xiaomiのスマートフォンは安全に使えますか?セキュリティが心配です。
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Xiaomiは過去にプライバシー問題が指摘されたことがあり、完全に安全とは言い切れません。しかし、不要なXiaomiアプリの無効化・プリインストールブラウザの変更・HyperOSのプライバシー設定の見直しといった対策を行うことでリスクを大幅に低減できます。日本向け正規品は一定の基準を満たしており、銀行アプリや機密データを扱わない用途であれば多くのユーザーが安心して使用しています。
- 日本でXiaomiの製品を購入するにはどこに行けばいいですか?
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Xiaomiの製品はビックカメラ・ヨドバシカメラなどの大手家電量販店、Amazon・楽天市場などのネット通販、Xiaomi公式サイト(mi.com/jp)で購入できます。スマートフォンはソフトバンクショップやIIJmioなどのMVNO経由での取り扱いもあります。並行輸入品は技適マークがない場合があるため、正規品を選ぶことをお勧めします。
まとめ
Xiaomiのスマートフォンやスマートバンドを実際に試してみたいと思ったら、まずモバイルバッテリーやスマートバンドなど低価格の製品から始めてみるのがおすすめだ。Amazonや楽天市場で「Xiaomi Smart Band」を検索してみよう。

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