LEXAR NM790をAmazonで見かけて「どこの国のブランドだろう」と疑問を持った方へ。現在のLexarは中国・深圳に本社を置くLongsysというメーカーが運営するブランドです。かつてはアメリカのMicron傘下でしたが、2017年に売却されました。この記事では、ブランドの歴史的経緯からNMシリーズの実際の性能・評判・競合比較まで、データに基づいて正直にお伝えします。読み終えるころには、「買うべきかどうか」を自分で判断できる状態になっているはずです。
LEXAR NM790をAmazonで見かけて「このブランド、いったいどこの国のメーカーなんだろう」と疑問を持った方は多いはずです。価格が手ごろで性能も良さそうなのに、知名度が低くて踏み出せない。そのモヤモヤ、よくわかります。
結論から言えば、現在のLexarは中国・深圳に本社を置く「Longsys(雷克沙)」というメーカーが展開するブランドです。かつてはアメリカのMicron Technologyが所有していましたが、2017年に売却されました。「中国ブランドに変わったなら品質が落ちたのでは」という不安も当然です。
でも、この記事を読み終えるころには、その不安が根拠のある判断に変わっているはずです。ブランドの歴史的経緯、NMシリーズの実際のスペックと評判、競合との比較まで、データと事実をもとに正直にお伝えします。
LEXAR(レキサー)はどこの国のブランドか:歴史を辿れば答えが見えてくる
「どこの国なのか」という疑問に答えるには、Lexarの歴史をさかのぼる必要があります。現在の姿だけ見ても、ブランドの本質はわかりません。10年以上にわたる変遷を追えば、今のLexarの実態が見えてきます。
誕生はアメリカ:Micron Technology傘下として発展したLexar
Lexarは1996年に設立されたフラッシュメモリ専業メーカーで、アメリカ・カリフォルニア州フリーモントが発祥です。コンパクトフラッシュやSDカードの規格が普及し始めた時代に、プロカメラマン向けの高速メモリカードを展開して知名度を上げました。
2006年、半導体大手のMicron Technology(マイクロン)がLexarを買収しました。MicronはDRAMやNAND型フラッシュを自社製造できる数少ないメーカーのひとつで、世界的に見てもSamsungやSK Hynixと並ぶ半導体大手です。この買収によってLexarはMicron製のNANDフラッシュを使った製品を展開できる体制を整え、品質面での評価も高まりました。
Micron傘下の時代、LexarはSDカード・CFカード・USBメモリを中心に展開し、特にプロカメラマンが使う高速CFカードの分野で高い評価を受けていました。「読み取り速度300MB/s超のCFカード」といった製品が話題になり、映像制作・写真撮影のプロが愛用するブランドとして確固たる地位を築きました。「Lexar = アメリカ発の信頼ブランド」というイメージはこの時代に形成されたものです。
Micron自社製のNANDチップを搭載した製品は品質の均一性が高く、相性問題が起きにくいという利点がありました。現在でも「昔のMicron時代のLexarは良かった」という声がネット上に残っているのは、この時代の品質評価が根強く残っているためです。
2017年の転換点:中国Longsysへの売却
2017年6月、Micronは突然Lexarブランドの売却を発表しました。売却先は中国・深圳に本社を置くLongsys Electronics(深圳雷克沙科技有限公司)です。Micronは半導体の製造コスト削減のため、NAND製品の一部事業を縮小・整理する方針をとっており、その一環としてLexarを手放すことになりました。
売却の背景には、半導体業界全体の価格競争が激化していたことがあります。Micronにとってのコンシューマー向けLexarブランドは、利益率の観点から継続するメリットが薄れていたとされています。一方で、ブランドとしてのLexarはまだ価値があったため、売却という形になりました。
Longsysは1999年創業の中国の電子部品メーカーで、フラッシュストレージ製品を中心に事業を展開してきた会社です。Lexar買収以前から、OEMベースで国内外の大手ブランド向けにストレージ製品を供給していた実績があります。Lexar買収当時はBaidu(百度)とサウジアラビアの公共投資ファンドが出資しており、知名度こそ低いですが業界内では製造力のある企業として認識されていました。
売却発表から完了まで数か月かかりましたが、2017年末にはLongsys傘下としての新体制が始動しました。ブランド名「Lexar」はそのまま存続し、ロゴも旧来のデザインを踏襲することで、消費者への混乱を最小限に抑える戦略をとりました。
現在のLexarは中国企業が運営するブランド:実態と変化した点を整理する
Longsys傘下になって以降、LexarはNANDフラッシュの調達先をMicron一社に頼らず、複数のサプライヤーから調達する体制に変わりました。Micronをはじめ、Western Digital(KIOXIA)など複数の大手から調達しており、製品ごとにNANDの出所が異なる場合があります。
これはコストの柔軟性を高める一方で、製品ごとにNANDの品質がばらつく可能性があるという側面もあります。同じ型番でもロットによって採用チップが異なるというのは、現在のLexarに限らず、コスト重視のSSDブランド全般で見られる傾向です。
一方でLongsys傘下になってからLexarはむしろラインアップを拡充し、NVMe SSDの「NMシリーズ」を新たに展開するなど、積極的な製品開発を続けています。SDカードの最上位ラインに「DIAMOND」シリーズを投入するなど、プロ向け製品も維持しています。
「中国企業が運営しているから信頼できない」という見方は、国籍だけで判断する先入観です。大切なのは、実際の製品の品質と保証体制です。この点については後の章で詳しく検証します。現在のLexarの製品が「中国製だから粗悪品」という事実は存在しません。むしろ、大手EC価格帯でのコスパという軸では競争力のある選択肢になっています。
LEXAR NMシリーズの全ラインアップ:製品ごとの違いを整理する
「NMシリーズ」と一口に言っても、いくつかのモデルがあります。どのモデルが自分のPCに合っているか、ここで整理しましょう。世代と用途が異なるため、スペック表だけで判断せずに適切なモデルを選ぶことが重要です。
NM790・NM760・NM620・NM610:世代と用途の違い
LEXAR NMシリーズは、2023〜2024年時点で主に4モデルが展開されています。大きな違いはインターフェースの世代(PCIe Gen4かGen3か)と、コントローラーの性能差です。
NM790は現行ラインのフラッグシップモデルです。PCIe Gen4(NVMe 1.4)対応で、シーケンシャル読み取り最大7,400MB/s、書き込み最大6,500MB/s(1TBモデル)というスペックを持ちます。容量は256GBから4TBまで用意されており、価格帯は1TBで10,000〜13,000円前後(Amazon Japan、2024年時点)です。DRAMキャッシュを搭載しており、大容量ファイルの連続書き込みにも安定した速度を発揮します。
NM760もGen4対応モデルですが、NM790よりもコントローラーの性能を抑えた中堅モデルです。読み取り最大5,300MB/s、書き込み最大4,500MB/s(1TB)で、NM790より価格が抑えられています。Gen4対応で速度をある程度求めつつ、NM790まではコストをかけたくない場合の選択肢です。
NM620はPCIe Gen3(NVMe 1.4)対応で、読み取り最大3,500MB/s、書き込み最大3,000MB/s(1TB)。Gen4の性能は不要だが高コスパなSSDが欲しい人や、Gen4非対応の古めのマザーボードを使っている人向けです。価格帯は1TBで7,000〜10,000円前後と、NM790よりもさらに安価です。特に2〜3年前のノートPCへの換装用途に向いています。
NM610はエントリーモデルで、スペックはNM620よりも控えめです。価格を最優先する倉庫用途や、頻繁にデータを読み書きしないバックアップ用の二次ストレージとして適しています。メインドライブには向きませんが、コスト重視で容量を確保したい場合の選択肢になります。
PCIe Gen4とGen3の実際の違い:NM790とNM620はどちらを選ぶか
PCIeはSSDとマザーボードをつなぐインターフェースの規格です。Gen4はGen3の約2倍の帯域幅を持っており、理論上は速度が2倍になります。NM790(Gen4)の最大読み取り7,400MB/sに対し、NM620(Gen3)は3,500MB/sと約2倍の差があります。
ただし、実際に体感できる差が出る場面は限られています。日常的なPC作業(ウェブ閲覧、文書作成、動画視聴)では、Gen3とGen4の体感差はほぼありません。OSの起動速度も、SSDが十分に速ければGen3でも数秒の差しか生まれません。
Gen4の速度が活きるのは、大容量ファイルの連続読み書きが頻繁に発生する場合です。具体的にはRAWデータや動画素材の大量移動、ゲームの大規模なアセット読み込み(ただしゲームの大半はGen3で十分)、仮想マシンの読み書きなどです。日常用途が中心であれば、NM620でも十分な快適さを得られます。
もうひとつ重要な点があります。Gen4のSSDをGen3対応のマザーボードに挿した場合、SSD自体は動作しますが速度はGen3相当に落ちます。せっかくNM790を購入してもGen3環境では半分の速度しか出ません。自分のマザーボードがGen4対応かどうか確認してから選ぶ必要があります。AMDはRyzen 5000シリーズ(X570/B550マザー)以降、IntelはAlder Lake世代(Z690/B660など)以降がGen4対応の目安です。
価格帯比較:同価格帯の競合製品と並べて見るとわかること
NM790(1TB)の実売価格10,000〜13,000円という水準は、2024年のNVMe SSD市場において「コスパ重視のGen4選択肢」に位置します。
Samsung 990 Pro(1TB)は14,000〜18,000円、WD Black SN850X(1TB)は15,000〜20,000円で、NM790より3,000〜8,000円高い水準です。これらはゲーミングや高負荷作業向けに最適化されており、スペックも高いですが、日常用途での差は体感しにくい範囲です。
同価格帯のライバルとしては、Crucial T500(1TB、11,000〜14,000円)、KIOXIA EXCERIA PRO(1TB、12,000〜15,000円)などがあります。これらと並べたとき、NM790は「Gen4の高速性を比較的安価に入手できる」というポジションを占めています。
コストパフォーマンスという観点では、NM790は価格帯の中で競争力のある選択肢です。ただし、コスト優先の判断をする場合でも、購入先が正規品かどうかの確認は怠らないようにしてください。
LEXAR NMシリーズの実際の性能:ベンチマークと耐久性を検証する
「スペック表の数値は信頼できるのか」という疑問を持つ方は正しい視点を持っています。カタログ値と実測値の乖離、発熱問題、耐久性──それぞれ順番に見ていきましょう。
NM790のベンチマーク実測値:カタログ値との差はどの程度か
CrystalDiskMarkなどのベンチマークツールで計測した場合、NM790(1TB)の読み取り速度は7,200〜7,400MB/s前後で、カタログ値とほぼ一致するケースが多く報告されています。書き込み速度は5,800〜6,500MB/sと若干のばらつきがありますが、Gen4 SSDとして競争力のある水準です。
比較対象としてSamsung 990 Proを挙げると、読み取り7,450MB/s、書き込み6,900MB/s(1TB)というスペックを持ちます。カタログ値の数字差だけ見ればSamsung 990 Proのほうが書き込み速度で優れていますが、実際の作業で差が体感できるシーンは限られています。ゲームのロード時間比較などでは、両者の差は数百ミリ秒以内に収まることが多いです。
DRAMキャッシュについても触れておきます。NM790はDRAMキャッシュを搭載しており、大容量データの連続書き込み中も速度低下が起きにくい設計です。一方、同価格帯でDRAMレスのモデルを選んだ場合、大容量書き込み時にキャッシュが尽きて速度が著しく落ちることがあります。NM790はこの点でしっかりした設計になっており、大容量ファイルの転送でも安定したパフォーマンスを発揮します。
ランダムアクセス性能(QD1のランダム読み取り)については、NM790は約90〜100MB/s前後という実測値が報告されています。OSの起動やアプリの立ち上げはランダムアクセス性能が支配的であり、この水準であれば日常的な体感速度は十分快適です。
TBW(総書込量)から見た耐久性:何年間使えるのか
TBW(Terabytes Written)とは、SSDが寿命を迎えるまでに書き込める総データ量の目安です。数値が大きいほど長寿命で、NANDフラッシュの品質と耐久設計の水準を示す指標のひとつです。
NM790(1TB)のメーカー保証TBWは600TBWです。Samsung 990 Pro(1TB)は600TBW、WD Black SN850X(1TB)は600TBWで、主要競合とほぼ横並びです。
日常的なPC利用での書き込み量は、ライトなユーザーで1日あたり10〜30GB程度です。仮に1日20GB書き込むとすれば、600TBWを使い切るには600,000GB ÷ 20GB/日 = 約82年かかる計算になります。現実的な使用環境では、TBWが耐久性のボトルネックになることはまずありません。
NVMe SSDの実際の故障原因は、TBWの超過よりも経年劣化や静電気・物理的な衝撃によることが多いとされています。バックアップを定期的に取ることが、SSDの寿命よりも重要なデータ保護策です。
LEXAR NMシリーズは5年間の製品保証が付いています。この保証期間はSamsung(5年)・WD(5年)・Crucial(5年)と同水準です。保証内容に大きな差はなく、この観点からも「中国ブランドだから保証が短い」という懸念は当たりません。
サーマルスロットリング問題:発熱で速度が落ちるリスクはあるか
NVMe SSDは高速動作時に発熱します。温度が一定以上になると、コントローラーが自動的に速度を落として自己保護する「サーマルスロットリング」が発生します。Gen4 SSDは特に発熱しやすい傾向があるため、この問題はNM790を検討する上で事前に把握しておくべき点です。
通常のM.2スロット(ヒートシンクなし)でNM790を高負荷状態で使い続けた場合、温度が75〜85度前後まで上昇するという報告があります。この温度帯ではサーマルスロットリングが発生し、書き込み速度が一時的に50〜60%程度まで低下するケースがあります。
一方、マザーボード付属のM.2ヒートシンクを装着した環境では、65度以下に抑えられることが多く、スロットリングの発生が大幅に減るという実績もあります。現在販売されているミドルスペック以上のマザーボードのほとんどはM.2ヒートシンクを付属しているため、標準的な自作PC環境であればこの問題はほぼ回避できます。
国内ユーザーの評判:口コミの信頼性をどう読むか
「Amazonのレビューは工作されているのでは」という疑念を持つ方は少なくありません。実際のユーザー評価から何を読み取れるか、冷静に見ていきましょう。レビューを盲目的に信じるのも、全否定するのも正しくありません。
Amazonレビューの傾向:信頼できるコメントの見分け方
Amazonでの国内レビューを見ると、LEXAR NM790は総じて星4〜5の評価が多い傾向があります。「速い」「安い」「普通に使える」「CrystalDiskMarkの数値がカタログ通り出た」といった実用的なコメントが多く、深刻な不具合報告は少数です。初期不良のレポートもゼロではありませんが、発生率が特に高いという傾向は確認できません。
信頼性が高いと判断できるレビューの特徴は、具体的な使用環境と計測データを記載していることです。「マザーボードはXXで、CrystalDiskMarkで読み取りXXXX MB/sが出た」「3ヶ月使っているが問題なし」といったコメントは、実際の使用体験に基づいています。一方で、製品の仕様をコピー貼り付けしたような内容や、極端に絶賛・批判に偏りすぎたコメントは参考値程度にとどめましょう。
ただし、Amazonレビューは購入後まもないタイミングで書かれることが多く、長期耐久性の評価が反映されにくい点は念頭に置く必要があります。1〜2年後の挙動についてはレビューだけでは判断しにくいため、TBW・保証期間といった客観的指標と合わせて判断することをおすすめします。
サクラチェッカーの結果:数値の意味を正しく理解する
サクラチェッカーは日本のAmazonレビューの信頼性を独自アルゴリズムで評価するウェブサービスです。LEXAR製品の一部については「やや信頼性に注意」「危険」といった判定が出ることもあります。これを見て「やっぱり中国ブランドはダメだ」と感じる方もいるかもしれません。
ただし注意が必要です。サクラチェッカーの判定は、レビューの書かれ方のパターン(レビュー日時の集中、一斉投稿の傾向など)を機械的に分析するものです。中国ブランドのAmazon出品では、販促キャンペーンのタイミングでレビューが集中しやすい傾向があり、これが「危険」判定に繋がりやすいです。
故障・初期不良の報告頻度:他ブランドと比べてどうか
電子製品の故障・初期不良は確率論です。ゼロにはできません。NM790の初期不良率に関する統計的データは公式には公開されていませんが、英語圏のPC自作コミュニティ(Reddit r/buildapc、r/hardwareなど)と国内の自作PC関連掲示板でのレポートを参照する限り、SamsungやWDと比較して著しく故障率が高いという傾向は確認できません。
SSDの品質に関して言えば、NANDフラッシュの品質と組み立て管理が重要です。NM790に使われているNANDは主に大手サプライヤーからの調達品であり、劣悪なNANDが使われているという報告は見当たりません。
ただし、低価格帯のLEXAR製品(USB3.0メモリや廉価SDカード)については、一部で品質のばらつきが報告されています。これはNMシリーズとは別の話ですが、「Lexarは全体的に品質が低い」という先入観に繋がることがあります。NMシリーズは廉価品ラインとは異なり、コントローラーとNANDの組み合わせをしっかり管理した設計です。
万が一の故障に備えるには、購入後すぐにCrystalDiskInfoで健康状態を確認し、異常値が出れば早期に返品・交換を求めることをおすすめします。保証期間内であれば、国内正規品はLEXARの保証窓口または購入先に交換対応を求めることができます。
競合製品との比較:LEXAR NMシリーズを選ぶべきかどうかの判断基準
NM790の立ち位置を競合と比較することで、「誰が買うべき製品か」がより明確になります。競合をただ羅列するのではなく、それぞれどういう人に向いているかを含めて整理します。
Samsung 990 Pro・970 EVOとの違い:信頼性とコストの天秤
SamsungのSSDは国内外で最も信頼性の評価が高いブランドのひとつです。Samsung V-NANDという自社製のNANDフラッシュを使い、コントローラーも自社開発しています。製造から検品までの一貫管理体制が強みであり、品質の均一性においては業界でもトップクラスです。
国内サポート体制も整っており、万が一の際はSamsung公式または国内代理店窓口でスムーズに対応してもらえます。「絶対に失敗したくない」という慎重派にとって、Samsungは間違いのない選択肢です。
一方でSamsung 990 Pro(1TB)の実売価格はNM790より4,000〜5,000円高い水準です。日常的なPC作業でこの価格差に見合う体感差が出るかというと、多くのユーザーにとっては正直厳しいです。ベンチマーク上の差はありますが、通常の使用環境でその差を感じられるシーンは限られています。
結論として、信頼性を最優先にして多少のコスト増を許容できる場合はSamsung、コスパを重視してブランドへのこだわりがない場合はNM790が現実的な選択肢です。「重要データをメインで保存するSSD」にはSamsung、「ゲームやアプリのサブドライブ」にはNM790という使い分けも合理的です。
WD Black SN850Xとの比較:PS5・ゲーミング用途での位置づけ
WD Black SN850XはPlayStation 5の公式推奨SSDとしても知られる、ゲーミング向けのフラッグシップモデルです。NM790と同じくPCIe Gen4対応ですが、キャッシュ管理と持続書き込み速度においてSN850Xが一歩上回ります。特にPS5での使用を前提とした場合は、SN850X(またはそれと同等の公式推奨モデル)を選ぶほうが確実です。
NM790でもPS5での動作報告はありますが、公式推奨外のため保証対象外リスクがあります。PC向けであればNM790は十分ですが、PS5への増設であればSN850Xを選ぶほうが安全です。
価格差は1TB比較で5,000〜7,000円以上あります。PC用途でゲーミング以外の作業も多い場合、NM790との体感差はほとんどありません。コスパ的にはNM790に分があります。
Crucial P5 Plus・T500との比較:同価格帯で最も近いライバル
CrucialはMicron傘下のブランドで、実はかつてのLexarと同じ親会社(Micron)を持つ兄弟ブランドです。現在でもMicron製NANDを使い続けており、NANDの品質面ではMicron由来の安心感があります。
Crucial T500(Gen4、1TB)はNM790と価格帯が最も近い直接ライバルで、11,000〜14,000円前後です。スペック比較ではNM790(読み取り7,400MB/s)に対してCrucial T500(読み取り7,400MB/s)と横並びで、書き込みはNM790が若干上回ります。
「信頼性ブランドとしてMicron系を選びたいが、Lexarは避けたい」という方にはCrucialが自然な選択肢です。品質の安心感を取るならCrucial、わずかでも安さを取るならNM790という差異になります。大きな差はないため、価格の時点時点での実売価格差で最終判断するのが実用的です。
LEXAR NMシリーズを選ぶ判断基準:向いている人と向いていない人
ここまでの情報を踏まえて、最終的な購入判断の整理をします。「買うべきか否か」を明確にするために、向いている人・向いていない人をそれぞれ具体的に整理します。
コスパ最優先で選ぶならNM790は有力候補
LEXAR NM790が特に向いているのは次のようなユーザーです。Samsung・WDと比べて3,000〜5,000円安く、Gen4の性能を入手したい方。自作PCのゲームやアプリ用サブストレージとして使いたい方。ノートPCをGen4対応モデルに換装したい方で、コストを抑えたい場合です。
日常的な使用では、NM790の性能はほとんどの用途で「過不足なし」の水準にあります。インターネット閲覧・動画視聴・文書作成・一般的なゲームであれば、Samsung 990 ProとNM790の間に体感差はほぼ生まれません。
重要データの保存やビジネス用途にはより信頼性の高いブランドを
一方で、ビジネスの重要データ、替えのきかないRAWデータや映像素材、仕事上のファイルをメインで保管するSSDとして選ぶ場合は、Samsung等の実績豊富なブランドを選ぶほうが安心です。
これはNM790の品質が低いという意味ではありません。「万が一のときのサポート体制の確実さと、長年の市場実績による安心感」を重視する場合の話です。重要なデータを扱う環境では、バックアップの確実な運用とあわせて、より実績の長いブランドを選ぶことが保険になります。
また、PS5への増設SSDとしてはWD Black SN850Xが公式推奨であり、互換性の保証という観点から確実性が高いです。PC用途でなくPS5専用を想定しているなら、公式推奨品を選ぶほうが無難です。
購入前に必ず確認すること:正規品と並行輸入品の違い
LEXAR製品はAmazonに複数の販売業者が出品しており、国内正規輸入品と並行輸入品が混在しています。並行輸入品は保証が適用されないことが多く、万が一の故障時に対応を受けられない場合があります。
購入前に販売業者のページで「国内保証書付き」または「LEXAR日本正規代理店品」の記載があるか確認してください。価格が他の出品より極端に安い場合は並行輸入品の可能性があります。数百円〜千円程度の差であれば、正規品を選ぶほうが結果的に安心です。
購入直後には必ずCrystalDiskInfoでSSDの健康状態を確認しましょう。「良好」以外の表示が出た場合、すぐに販売元へ初期不良として連絡することで、保証交換の対応を受けられます。この初期確認の習慣は、どのブランドのSSDでも共通しておすすめです。
よくある質問
- LEXAR(レキサー)は現在どこの国のブランドですか?
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現在のLexarは中国・深圳に本社を置くLongsys(深圳雷克沙科技有限公司)が運営するブランドです。もともとはアメリカのMicron Technologyが所有していましたが、2017年にLongsysへ売却されました。ブランド名と製品展開は継続していますが、製造・運営の主体は中国企業に変わっています。
- Micron時代のLexarと今のLexarでは品質が落ちましたか?
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一概には言えませんが、変化はあります。Micron傘下時代は自社製NANDを安定的に使えていましたが、現在は複数サプライヤーから調達しており、製品ごとにNANDの出所が異なる場合があります。ただし、NMシリーズなどの主力製品は大手サプライヤーのNANDを使っており、ベンチマーク実測値もカタログ値に近い水準を維持しています。旧Lexarと比べて著しく品質が低下したという明確なデータは現時点では確認されていません。
- LEXAR NM790はSamsung 990 ProやWD SN850Xと比べてどうですか?
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スペック面では横並びに近く、日常的な使用での体感差はほぼありません。Samsung 990 ProやWD Black SN850Xはブランドの信頼性と長年の実績が強みで、価格はNM790より3,000〜8,000円ほど高い水準です。コスパ重視でGen4 SSDを入手したい場合はNM790が有力候補になりますが、重要データのメイン保管先や公式推奨が必要なPS5用途にはSamsung・WDを選ぶほうが安心です。
まとめ
LEXAR NMシリーズはどこの国のブランドかという問いに対する答えは、「現在は中国・Longsys傘下のブランド」です。かつてのアメリカMicron時代とは所有者が変わりましたが、NM790をはじめとするNMシリーズのスペック・耐久性・価格の総合バランスは、コスパ重視のSSD選びで十分に選択肢に入る水準にあります。信頼性最優先であればSamsung、コスパを重視するならNM790が現実的な選択肢です。購入の際は国内正規品か確認し、到着後はCrystalDiskInfoで初期状態を確認してから使い始めましょう。

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