BEAMSはどこの国のブランド?日本発祥の歴史とレーベル一覧を完全解説

BEAMSのロゴを見るたびに「なんとなく海外っぽい」と感じたことはないだろうか。英語のブランド名、洗練されたビジュアル、輸入品と並ぶセレクト商品——そのたたずまいはどこか海外ブランドを思わせる。しかし実際には、BEAMSは1976年に東京・原宿で産声を上げた、れっきとした日本発のセレクトショップだ。この記事では、BEAMSがどこの国のブランドかという素朴な疑問から出発し、ブランド名の由来、創業ストーリー、セレクトショップという独自ビジネスモデル、そして数多くのサブブランドまでを網羅的に解説する。読み終える頃には、BEAMSへの愛着が一段と深まっているはずだ。

目次

BEAMSはどこの国のブランドか——まず答えから

「BEAMSって、どこの国のブランドなんだろう?」と疑問を持ったことがあれば、それはごく自然な感覚だ。英語表記のブランド名、スタイリッシュなロゴ、海外ブランドと肩を並べるショップの雰囲気——どれをとっても「外国から来たブランド」のように見える。しかし答えは意外かもしれない。

答えはシンプル「日本」のブランドである

結論から述べると、BEAMSは日本のブランドである。1976年に東京都渋谷区の原宿に1号店を構えた、生粋の日本生まれのセレクトショップだ。創業から半世紀近くが経過した現在も、本社は東京都渋谷区に置き、日本国内を中心に展開している。

英語圏や海外に本社を持つブランドではなく、日本人によって日本で創業された国産ブランドである点は、BEAMSを語る上で最も基本的な事実だ。海外に店舗を持つこともあるが、それはあくまでも日本ブランドが海外進出した結果であり、外資系ブランドの逆輸入とは性格が異なる。

「BEAMS」という全大文字の英語表記が「海外ブランドっぽさ」を醸し出す最大の要因かもしれないが、名前の由来も含めてすべて日本で考案されたものだ。この記事を通じて、その背景を詳しく解き明かしていこう。

英語名なのに日本ブランドである理由

「なぜ日本ブランドなのに英語名なのか」という疑問も、多くの人が持つ素朴な疑問のひとつだ。その答えは、創業当時の日本の時代背景と、創業者が描いたブランドビジョンにある。

1970年代の日本は、アメリカのカルチャーに強い憧れを抱いていた時代だった。ジーンズ、Tシャツ、スニーカー——アメリカンカジュアルのライフスタイルが若者の間でブームとなり、原宿や渋谷を中心に新しいファッション文化が芽生えていた。そのような時代に、あえて英語名を選ぶことは、「海外の空気感を日本に持ち込む」というブランドの意思表示でもあった。

また、創業者の設楽洋氏が描いたブランド像は、既存の「日本の洋服屋」という概念を超えた、ライフスタイル提案型の店舗だった。英語名を掲げることで、新しい文化的な価値観を発信するブランドとしての自己規定を行ったのだ。これは当時の日本では先進的な発想であり、その戦略が後に「セレクトショップ」という業態を日本に広める原動力となっていく。

会社の正式名称と基本プロフィール

BEAMSを展開する企業の正式名称は「株式会社ビームス」(英語表記: BEAMS CO., LTD.)だ。設立は1976年9月で、創業者は設楽洋氏(現在は会長・最高顧客責任者)、現在の代表取締役社長は設楽悠介氏が務めている。

本社所在地は東京都渋谷区神南1丁目で、渋谷・原宿エリアに深く根ざした企業であることがわかる。国内の店舗数は2020年代時点で150店舗以上を展開し、アパレルだけでなく音楽、アート、フードなど多方面のカルチャーを発信する総合的なライフスタイル企業として成長している。

売上規模は非上場企業であるため非公開だが、業界内では大手セレクトショップとして認知されており、UNITED ARROWSやナノ・ユニバースと並んで日本のセレクトショップ業態をリードする存在だ。


BEAMSという名前の由来——「光の束」に込めた哲学

「英語名なら何か深い意味があるのでは?」と感じた人の直感は正しい。「BEAMS」という名前には、ただかっこいいからという以上の、ブランドの本質を映した意味が込められている。

「ビームス」という言葉の語源と意味

英語の「beam」という単語には、「光線」「光の束」「梁(はり)」「笑顔を輝かせる」など複数の意味がある。BEAMSのブランド名はこの中の光の束「輝き」という概念に由来している。

「ビームス」というブランド名には「人々の心に光を届ける」「文化の光を束ねて発信する」というコンセプトが込められているとされている。単なる洋服屋ではなく、新しいライフスタイルや文化の光を日本社会に届ける存在でありたいという意志表明だ。

複数形の「beams」を使っているのも意図的で、「一つの光線」ではなく「多様な光の束」——つまり多様なカルチャー、多様なライフスタイルを包み込むブランドであることを示している。実際にBEAMSは後にアパレルだけでなく、音楽、アート、食、インテリアなど多岐にわたる分野に展開していくが、この多様性の萌芽は最初のブランド名にすでに刻まれていた。

1970年代の時代背景と命名の意図

1976年という時代を理解しないと、BEAMSというブランドの本質はつかみにくい。当時の日本のファッション業界は、大手百貨店と専門店が主流で、「セレクトショップ」という業態はまだ存在していなかった。

若者たちは渋谷・原宿・新宿のショップに集まり、アメリカや欧州の雑誌から切り取ったコーディネートを真似ていた時代だ。海外のファッションに対する憧れは強く、しかし本物を手に入れる手段は限られていた。そこに「海外のライフスタイルを直輸入する」という形で登場したのがBEAMSの1号店だった。

「BEAMS」というブランド名は、そのような時代の空気を吸い込んで生まれた。洋服を売るだけでなく、「海外の空気感」「新しい生き方の提案」を日本に届けるという野心が、あの英語の名前に凝縮されている。単純に「かっこいい英語名」を選んだのではなく、ブランドが体現しようとした理念の表れだったのだ。

なぜ日本語ではなく英語を選んだのか

日本のファッションブランドが英語名を採用することは、今では珍しくないが、1976年当時はまだ革新的な試みだった。「なぜあえて英語名を?」という問いに答えるとき、二つの側面から考えると理解しやすい。

一つは「差別化の意志」だ。当時の日本のアパレルは和名や人名を使ったブランドが多く、英語名を選ぶことそのものが「既存の枠を超えたブランドである」という宣言になっていた。消費者が店頭に立った瞬間、「ここは普通の洋服屋とは違う」という印象を持つ効果があった。

もう一つは「コンセプトとの整合性」だ。アメリカのライフスタイルを丸ごと輸入するというコンセプトを持つブランドが、和名のロゴを掲げていたら、そのブランドの世界観に矛盾が生じる。英語名を選ぶことは、ブランドが売ろうとしているものとブランドのアイデンティティを一致させる必然的な選択でもあった。

この判断が後に「BEAMSはどこの国のブランドか」という疑問を生む皮肉も内包しているが、それはそれだけブランドが自分の世界観を徹底したことの証明でもある。


BEAMSの創業ストーリー——6.5坪の小さな店から始まった革命

「日本最大規模のセレクトショップ」というイメージとは裏腹に、BEAMSの出発点は驚くほど小さなものだった。原宿の6.5坪——畳に換算すると約13枚分の、小さなテナントから、すべては始まった。

1976年、原宿で産声を上げた瞬間

1976年9月、BEAMSは東京・原宿の小さな路面店として産声を上げた。店名は当初「American Life Shop BEAMS」で、その名の通り、アメリカのライフスタイルをパッケージングして提案するコンセプトストアだった。

創業者の設楽洋氏は、当時のアメリカンカジュアルブームを的確に捉え、「服だけでなく、アメリカの生活文化そのものを提案する」という独自の視点でショップを設計した。Levi’sのジーンズ、アメリカのアウトドアブランドのフリース、バンダナ、ウエスタンブーツ——単品でバラバラに売るのではなく、コーディネートという文脈で提案する手法は、当時の日本の小売業界には存在しなかったものだった。

6.5坪という狭いスペースの中に、アメリカの生活圏を凝縮したかのような世界観を作り上げた。それは服屋というよりも「アメリカンライフスタイルの体験店」であり、若者たちはそこで「洋服を買う」だけでなく「あの国の空気感を手に入れる」感覚を得ることができた。

アメリカンカジュアルを日本に持ち込んだ先駆者

BEAMSが登場する以前の日本のファッション業界では、消費者が海外のライフスタイルを入手するルートは非常に限られていた。輸入雑貨店や一部の輸入商社が扱う商品は高価で、手の届かないものだった。

BEAMSはここに着目し、「本物のアメリカンカジュアルをリーズナブルに」という価値提案を行った。買い付けや仕入れの工夫によって、海外の本物のカルチャーを日本の若者が実際に手にできる価格帯で提供することに成功したのだ。

この「本物を身近に」という精神は、BEAMSが後にセレクトショップとして進化していく上での根幹となる。アメリカのカルチャーだけでなく、ヨーロッパのモードや日本のストリートカルチャーも「セレクト」するようになっていくが、そのたびに「本物の空気感をパッケージングして届ける」という原点の哲学は変わらなかった。

1980〜90年代の急成長と全国展開

1号店の成功を足がかりに、BEAMSは1980年代に急速な拡張期を迎える。原宿・渋谷エリアを起点に、大阪、名古屋、福岡といった全国の主要都市へと店舗を展開し始めた。

この時代に重要だったのは、単に店舗数を増やすのではなく、「ライン分け」戦略を採用したことだ。メンズのカジュアルライン、レディスライン、よりトラッドに特化したライン——ターゲットや価格帯ごとに別々のブランドラインを立ち上げることで、「BEAMSというブランド」の中に多様な顔を持たせることに成功した。

1990年代はバブル経済の崩壊という逆風があったにもかかわらず、BEAMSはむしろ「セレクトショップ」という業態への注目が高まる追い風を受けた。高い画一品よりも「自分らしいスタイルを自分でセレクトする」という消費スタイルが広まり、その流れの中心にBEAMSは常に存在し続けた。

2000年代以降のグローバル展開と現在

2000年代に入ると、BEAMSはアジアへの進出を本格化させる。香港、上海、シンガポール、台湾などに店舗を構え、「日本のセレクトショップカルチャー」をアジア圏に輸出する立場になった。かつて「海外の空気感を日本に持ち込む」存在だったBEAMSが、今度は「日本のカルチャーを世界に発信する」存在へと変容したのは、象徴的な変化だ。

2010年代以降は、ECサイトの強化やSNSを活用したブランドコミュニケーションに力を入れ、実店舗とデジタルの融合を進めている。またアート、音楽、フードなどカルチャー全般を包括する「ビームス クリエイティブ」という部門が活性化し、ファッションの枠を超えた文化企業としての色彩を強めている。

創業から約50年を経た現在も、BEAMSは「新しいカルチャーの光を束ねて届ける」という原点の哲学を大切にしながら、時代の変化に適応し続けている。


セレクトショップとしてのBEAMS——ビジネスモデルの核心

「BEAMSはセレクトショップだから」とよく言われるが、セレクトショップとは一体何なのか、改めて整理しておきたい。この概念を理解することで、BEAMSがなぜ独自の魅力を持ち続けているのかが見えてくる。

セレクト商品とオリジナル商品、どちらもBEAMS

BEAMSの店頭に並ぶ商品は大きく二種類に分かれる。一つは「セレクト商品」、もう一つは「オリジナル商品」だ。

セレクト商品とは、国内外のブランドが製造した商品をBEAMSのバイヤーが吟味して買い付けてきたもので、メーカーのタグにはそのブランド名が記されている。例えば、NIKEのスニーカーやPatagoniaのフリースがBEAMSの棚に並んでいれば、それはセレクト商品だ。

一方のオリジナル商品は、BEAMS自身が企画・製造したアイテムで、BEAMS名義のタグが付いている。素材選びからデザイン、製造まですべてBEAMSが管理するこれらのアイテムは、「BEAMSらしさ」を最も直接的に体現したものといえる。

この二種類が同じ店内に並んでいることがセレクトショップの特徴で、顧客は「BEAMSというフィルターを通してキュレーションされた世界」を体験することになる。単にブランドの製品を売るブランドショップでも、何でも揃えるデパートでもなく、「バイヤーの目利き」によって選ばれた商品群を通じてライフスタイルを提案する場所——それがBEAMSだ。

セレクトショップという業態が生まれた背景

セレクトショップという業態が日本に生まれたのは偶然ではない。日本のファッション市場の特性と、消費者の価値観の変化が合わさって必然的に生まれた形態だ。

高度経済成長が終わり、消費者が「量から質へ」「画一性から個性へ」と価値観をシフトさせた1970年代後半に、BEAMSはその変化をいち早く察知した。「自分らしいスタイルを作りたい」という若者の欲求に応えるには、特定のブランドの服だけを売る単一ブランドショップよりも、多彩なブランドの中から「自分に合うもの」を選べるセレクトショップの方が合致していた。

さらに、高度な商品知識と感度を持ったバイヤーが目利きした商品を提供することで、消費者は「何を選べばいいかわからない」という不安から解放される。「BEAMSが選んだものなら間違いない」という信頼感が、ブランドへのロイヤルティを生むのだ。

百貨店やファストファッションとの根本的な違い

BEAMSのビジネスモデルを理解するには、他の小売形態との比較が有効だ。百貨店は多数のブランドが独自の売り場を持ち、百貨店自体は場所を提供する立場に近い。ファストファッションは自社で企画・製造・販売まで行うが、トレンドを素早く大量生産する点が特徴だ。

BEAMSはこのどちらとも異なる。百貨店のように場所を貸すだけではなく、バイヤー自身が「こういうライフスタイルを提案したい」という編集眼を持って商品を選ぶ。ファストファッションのように価格を追求するのではなく、「価値のあるものを適正価格で提供する」という姿勢を保つ。

この編集ショップとしての役割こそが、BEAMSの独自性の源泉だ。バイヤーの審美眼とライフスタイルへの感度が、BEAMSというブランドの価値を決定づけている。同じ商品がデパートでも売られていたとしても、「BEAMSが選んだ文脈の中にある」というだけで、その商品の見え方が変わるという感覚をBEAMSのファンはよく知っているはずだ。


BEAMSの全レーベル一覧——あなたが買うのはどのライン?

BEAMSには「BEAMS本体」の他に、多数のサブブランドやレーベルが存在する。「BEAMS HEARTってどういうブランド?」「CESA BEAMSはどこの国?」という疑問は、BEAMSの多様なラインナップに由来している。ここで全体像を整理しておこう。

メインライン——「BEAMS」本体の特徴

「BEAMS」(ビームス)は最も基本となるメインラインで、メンズ・レディスともに幅広いスタイルをカバーしている。カジュアルからスマートカジュアルまでを得意とし、シーズンごとに多彩なテーマを設定してコレクションを提案する。

年齢層は20代から40代まで幅広く、「自分らしいスタイルをセレクトしたい」というベーシックなニーズに応えるラインだ。価格帯はファストファッションより上、ラグジュアリーブランドよりは手が届きやすい「中間価格帯」のゾーンに位置している。

国内外のブランドから買い付けたセレクト品と、BEAMS自社企画のオリジナル品が混在しており、それぞれのシーズンのコーディネートの「答え」を提示してくれる存在として機能している。

トラッド・アメカジ系ライン(BEAMS PLUS・BEAMS F)

「BEAMS PLUS」(ビームス プラス)は、アメリカントラディショナルスタイルに特化したラインだ。アイビーリーグ発祥のプレッピースタイル、ワークウェア由来のアメリカンカジュアル、ミリタリーウェアなど、アメリカの服飾文化の「本物」に徹底的にこだわる。

BEAMSのルーツである「American Life Shop BEAMS」の精神を最も色濃く継承しているのが、このBEAMS PLUSといえるだろう。ディテールへのこだわりが強く、素材や縫製に知識のある顧客から高い評価を受けている。20〜40代の「本物志向のアメカジファン」をコアターゲットとするラインだ。

「BEAMS F」(ビームス エフ)は、ヨーロッパのクラシックな服飾文化に軸足を置いたラインで、フォーマルウェアやドレッシーなカジュアルスタイルを得意とする。スーツ、ジャケット、シャツといった定番アイテムをBEAMSらしい目線でセレクトし、大人の男性に向けたエレガントかつ現代的なスタイルを提案している。

カジュアル・ストリート系ライン(BEAMS T・Ray BEAMS)

「BEAMS T」(ビームス ティー)は、Tシャツをメインアイテムとしたカジュアルラインだ。アーティストや作家とのコラボレーションTシャツが充実しており、アート・音楽・サブカルチャーに関心を持つ若い世代に人気が高い。

価格帯はBEAMSの中でも比較的リーズナブルで、「まずBEAMSをひとつ試してみたい」という入門者にも選びやすいラインといえる。グラフィックTシャツを中心としたシンプルなアイテムが多く、コーディネートのアクセントとして活用しやすい。

「Ray BEAMS」(レイ ビームス)はレディスに特化したラインで、トレンドを意識したスタイリッシュなカジュアルウェアを展開している。20〜30代の女性をターゲットとし、フェミニンすぎずカジュアルすぎない「ちょうどいいおしゃれ感」を得意とする。

BEAMS HEARTとCESA BEAMSはどこの国?

「BEAMS HEART」(ビームス ハート)という名前を聞いて「これはどこの国のブランド?」と思った人もいるかもしれないが、答えは明確だ。BEAMS HEARTもBEAMSと同じ「株式会社ビームス」の日本ブランドであり、日本国内向けに展開されるBEAMSのレーベルの一つだ。

BEAMS HEARTは、BEAMS本体よりも少し大人向けで落ち着いたスタイリングを提案するレーベルとして位置づけられてきた。よりシックでエレガントな雰囲気を持ち、トレンドを追いかけるよりも長く着られる「定番」に近いアイテムを揃えている。

「CESA BEAMS」(セサ ビームス)についても同様で、これも株式会社ビームスが展開する日本のレーベルだ。「CESA」はイタリア語で「何かが切り落とされたもの」「断面」を意味し、イタリアのクラフトマンシップやドレッシーな感覚を取り込んだラインとして展開された。名前にイタリア語を用いていることからヨーロッパ系と思われがちだが、企画・運営は日本の株式会社ビームスが行っている。つまり、BEAMS HEARTもCESA BEAMSも、どちらも日本のブランドだということになる。

その他のレーベルとライセンス展開

BEAMSには上記以外にも複数のレーベルが存在する。「BEAMS BOY」はレディスのボーイッシュスタイルに特化したライン、「IENA」はソフィスティケートされた大人の女性向けラインだ(IENAはイタリア語で「前日」を意味する)。また「FENNICA」はスカンジナビアンデザインやヴィンテージスタイルに影響を受けたラインとして知られる。

「International Gallery BEAMS」(インターナショナルギャラリー ビームス)は、よりハイエンドなセレクト品やデザイナーズブランドに特化したライン。ラグジュアリーブランドに手を伸ばす前段階として、あるいはラグジュアリーブランドを補完するアイテムを求める上質志向の顧客に支持されている。

これらの多様なレーベルを一社が展開していることで、BEAMSは10代から50代まで、カジュアルからフォーマルまで、さまざまな顧客層のニーズに対応できるブランドグループとなっている。


BEAMSが日本ファッションに与えた影響

「BEAMSがなければ、今の日本のファッションシーンは存在しなかった」という言い方は過言ではないかもしれない。半世紀近くにわたってBEAMSが与えてきた影響は、洋服の売買という次元をはるかに超えている。

セレクトショップという文化を根付かせた功績

BEAMSの最大の功績は、日本にセレクトショップの先駆けとなる概念を根付かせたことだといえる。今では当たり前のように存在するセレクトショップという業態だが、その出発点に常にBEAMSの存在がある。

BEAMSの成功を見て、多くの後発のセレクトショップが誕生した。UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)はBEAMSの元社員たちが独立して設立したブランドだし、SHIPS(シップス)、EDIFICE、ナノ・ユニバースなど、今日の日本のセレクトショップ業態の多くはBEAMSの影響を受けている。

「バイヤーの目利きによって編集された空間でスタイルを提案する」というビジネスモデルを最初に日本に定着させたBEAMSは、日本のファッション流通の歴史において特別な位置を占める企業だ。

アメカジ・ヴィンテージブームを牽引した役割

1980〜90年代の日本では「アメリカンカジュアル」と「ヴィンテージブーム」が相次いで到来したが、その波を作り出す上でBEAMSは重要な役割を果たした。

アメリカのワークウェアやミリタリーウェアを「オシャレなカジュアルの文脈」で紹介したのはBEAMSが先駆けだったし、デッドストックのアメリカ軍のジャケットやリーバイスの古着を「ヴィンテージとして価値があるもの」として提案したのもBEAMSを含むセレクトショップたちだった。

「古着は安くなければいけない」という常識を打ち破り、「古着にも価値と美しさがある」というカルチャーを醸成したのはBEAMSのバイヤーたちの功績だといえる。この精神は今日のヴィンテージ市場の隆盛にもつながっている。

現代ストリートファッションへの橋渡し

2000年代以降、日本のストリートファッションが世界的な注目を集めるようになった背景にも、BEAMSの存在は無視できない。裏原宿カルチャーに象徴される日本独自のストリートスタイルが国際的に評価されていった流れの中で、BEAMSは日本のカルチャーを世界に発信する橋渡し役を担ってきた。

海外のデザイナーや国内外のアーティストとのコラボレーションを積極的に行い、「ファッション×アート×カルチャー」という複合的な価値を提供してきたBEAMSは、今やファッション企業というよりもカルチャー企業としての色合いを強めている。NIKEやadidas、New Balanceといったスポーツブランドとの別注コラボや、有名アーティストとのコレクションは、毎シーズンファッションシーンの話題を作っている。


BEAMSのメディア展開——CMとコラボレーションの歴史

BEAMSはファッションブランドであると同時に、日本のカルチャーシーンと深く結びついたメディア的存在でもある。テレビCMや著名人とのコラボレーションを通じて、ブランドイメージを磨き続けてきた歴史は、一般消費者にとっても興味深いストーリーを持っている。

歴代CMキャラクターとブランドのイメージ変遷

BEAMSは創業以来、時代のアイコンともいえる人物たちをCMやブランドビジュアルに起用してきた。俳優、ミュージシャン、アーティスト、スポーツ選手——時代を映す人物を選ぶことで、BEAMSは常に「今この時代のカルチャー」を体現するブランドとしての存在感を保ってきた。

起用された人物は幅広く、映画俳優や女優から国際的なアーティスト、スポーツ選手まで多岐にわたる。その選び方自体が「BEAMSというブランドの感度の高さ」を示すものとして機能しており、「BEAMSが選んだ人」というだけで、その人物への世間の注目度が高まることもある。

広告だけでなく、BEAMSが主催するイベントや展示会にも多数の著名人が参加してきた。「BEAMSという場」が、様々なカルチャーが交差するプラットフォームとして機能してきた側面は、ファッションブランドの枠を超えた独自の価値を生み出している。

国内外ブランドとのコラボレーション事例

BEAMSのコラボレーション戦略は、業界の中でも特筆すべき充実度を誇る。スポーツブランドとのコラボはその代表例で、NIKEとの別注スニーカーは発売のたびに話題を集め、入手困難になるほどの人気を博すこともある。

adidas、New Balance、Reebokといったメジャーなスポーツブランドとの別注コラボは定番化しており、「BEAMSカラーに染め替えられた名作スニーカー」として独自の地位を確立している。これらのコラボ商品は、スニーカーコレクターやファッション好きの間で高い価値を認められている。

国内ブランドとのコラボも活発で、和食器メーカー、文具ブランド、アウトドアメーカーとのコラボレーションは、BEAMSがファッションの枠を超えた「ライフスタイル全般への提案力」を持つブランドであることを示している。また地方の工芸品や職人技術とのコラボを通じて、日本のモノづくり文化を広める役割も担っている。

カルチャー発信基地としてのBEAMSの現在

近年のBEAMSはファッションの枠をさらに超え、音楽レーベル、アートギャラリー、フードイベントの主催など、「カルチャーの総合発信基地」としての存在感を強めている。

「BEAMS RECORDS」は音楽に特化したコーナーやレーベルとして、音楽ファンからの支持を集めている。また定期的に開催される展示会やアートイベントは、アーティスト・デザイナー・クリエイターとの共同作業の場として機能しており、単なる商業施設ではない「カルチャーの交差点」としてのBEAMSのポジションを確立している。

こうした活動の背景には「ビームスは服を売るだけでなく、カルチャーを発信する存在でありたい」という創業以来の哲学がある。1976年の原宿の小さな6.5坪の店から始まったアメリカンライフスタイルの提案が、今や日本発のカルチャー発信として世界に向けられている——その変遷を俯瞰したとき、BEAMSというブランドの軌跡が一本の線としてつながって見えてくる。

よくある質問

BEAMSはどこの国のブランドですか?

BEAMSは日本のブランドです。1976年に東京・原宿で「American Life Shop BEAMS」として創業した、れっきとした日本発のセレクトショップです。英語のブランド名がついているため海外ブランドと思われがちですが、本社は東京都渋谷区にあり、創業から現在まで日本の企業が運営しています。

BEAMS HEARTやCESA BEAMSもどこの国のブランドですか?

BEAMS HEARTもCESA BEAMSも、どちらも株式会社ビームス(日本)が展開するレーベルです。名前にハート(英語)やCESA(イタリア語)を使っているため海外ブランドと誤解されることがありますが、企画・運営はすべて日本のビームスが行っており、日本のブランドです。BEAMSが展開するすべてのレーベルは、国内外を問わず日本の株式会社ビームスによって運営されています。

BEAMSはオリジナルブランドですか?それともセレクトショップですか?

BEAMSは「セレクトショップ」であり、オリジナル商品も展開する複合型のブランドです。国内外のブランドからバイヤーが目利きして買い付けた「セレクト商品」と、ビームス自身が企画・製造した「オリジナル商品」の両方が店頭に並んでいます。このどちらもBEAMSの編集眼を通じてセレクトされており、「BEAMSというフィルターを通じたライフスタイル提案」という点では一貫しています。


まとめ

BEAMSは1976年、東京・原宿の6.5坪の小さな店から生まれた、れっきとした日本のブランドだ。「英語名=海外ブランド」という先入観は、これで完全に解消できたはずだ。BEAMSという名前には「光の束」という意味が込められており、多彩なカルチャーを束ねて届けるというブランドの哲学が今も息づいている。メインラインからBEAMS PLUS、BEAMS HEART、CESA BEAMSまで、さまざまなレーベルがあるBEAMSのショップに足を運んで、自分のスタイルにぴったりのラインを探してみてほしい。

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